目次
母77歳、母78歳の年
症状
- 大声が頻繁になる。(2009年)
- 興奮状態が強くなる。(2010年)
※セレネースを服用も、興奮は収まったが、脱力し足に力が入らず、口は開きよだれが出て、放心したような状態となった為、服用を中止。
詳細と家族の心境
2009年は特に何事もなく過ごせました。この当時の主治医から重度の認知症に効果が認められたとして、アリセプトの量を5mgから10mgに増やしましたが、興奮の度合いが強くなった為、医師に相談の上元の5mgに戻しました。
2010年は大きな変化の年でした。
- 3月にデイケアで3度目の骨折事故。これにより利用を中止し全て訪問サービスに変更。
- 6月に発熱、嘔吐、痛み(母の訴えはなく私が母を見て痛みがあると判断)で、大きく体調を崩す。これをきっかけに訪問診療(主治医による定期的な往診)と訪問看護を開始。
3月に起きた骨折は懸念していた入浴時の事故でした。機会があって入浴の様子を見た私は、椅子の高さが母に合っておらず危ないと思い、自宅で使用していたシャワーチェアーを利用してほしいと貸し出しました。母だけではなく母が利用していない時は他の利用者の方も利用してもらっていいと、なるべく施設側の迷惑にならないように配慮したつもりでしたが、事故当初母はそのシャワーチェアーに座らせてもらっておらず、また前のめりに椅子から落ち左鎖骨を骨折しました。
事故が起きないように前もって貸し出したにも関わらず、それを使用せずこのような事故を起こしたことに、私は強い憤りを覚えました。そして私の不安を汲み取り、真剣に向き合ってくれていなかったことに深く失望しました。このままこのデイケアを利用していたら、いつか命に関わる事故が起きて私は後悔すると思い、この日を最後にデイケアの利用を止めました。
代わりに訪問サービスを始めることを決め、ケアマネジャーに相談の上、訪問入浴は週に2回、訪問リハビリも週2回のケアプランを作ってもらいました。
ずっと家にいるのでその分自由な時間はなくなりますが、少なくとも心配で不安な気持ちのまま母の帰りを待つより、けがをしたと電話がかかってくる恐怖を味わうよりずっといいと思いました。
ただ、父には母がずっといることで、今までより負担をかけるようなことがないよう、母の介護はほとんど私が引き受けました。
訪問サービスが始まり順調に日常が回り始めたのですが、6月に突然母が熱を出し、いつも診てもらっていた近所の病院に行き血液検査をしてもらい、薬も処方してもらいました。しかしその日熱は39℃まで上がり嘔吐しました。そして夜は明らかに体のどこかに痛みを感じている様子でした。
3日後には熱も下がり訪問リハビリもしてもらったのですが、話を聞いた担当の理学療法士の勧めもあって当日リハビリ後、近所の在宅医療にも力を入れている他の病院で受診することにしました。
採血をし点滴を受けていた間母はまた嘔吐しました。採血の結果消化器系の腫瘍マーカーの数値が高くがんの可能性があるということでしたが、それは後にマーカーの数値が下がったことで否定されました。
翌日母を診察してくれた主治医と在宅医療の担当者と話をし、訪問診療と訪問介護をお願いすることにしました。その日からすぐに連日自宅で看護師さんが点滴をして下さることになりました。ケアマネジャーの素早い手配でベッドもすぐに搬入してもらいました。(それまでは布団で、手を引っ張れば布団からの立ち上がりも出来ていました。)
こうしてその後週に1回の訪問看護と2週間に1回の訪問診療で往診受けるようになりました。
これ以降私は「母記録」と書いたノートに下記の内容を毎日書くようになりました。
- 朝昼晩三回の検温の記録と時間
- トイレの回数と時間
- 排便の有無
- 水分摂取量
- 起床、就寝の時間
- 母の細かい状態についての記録
※今日は午前中ウトウトしていた。昨夜は寝つきが良くなかった。等・・・
母の回復に合わせ、食事を完全に介護食用に柔らかく食べやすいように工夫したものに変えました。詳しい内容についてはこちらのページをご覧下さい。
振り返って思う事
なぜ訪問診療と訪問看護をこの病院にしたかは、近所であったこと、この病院の車で街中を訪問する看護師さんをよく見かけていたことからでした。幸いにも24時間365日対応して頂ける病院でした。
病院選びは難しいとは思いますが、在宅医療に力を入れている病院で、出来れば近所である方がいいと思います。
がんの疑いもあるということで、緊急の対応も必要になるかもしれないと思い、母の病気が判明した時からお世話になっていた神経内科の主治医の元から、処方も含め全て新しい主治医に委ねることとなりました。急なことではありましたが、主治医も看護師さんにも最後までよくして頂き、こちらの病院にして本当によかったと思っています。
度重なる母の骨折事故や体調不良により、母の体調は回復した後も、また体調を崩したら、もしまた怪我でもしたらと、毎年行っていた、父が楽しみにしていたコスモスの花見を止めてしまいました。私の不安のせいで父をひどくがっかりさせてしまいました。
いつかは行けなくなる日が来ていたでしょうが、私のように自分の不安から止めてしまうようなことがなければと思います。見極めは難しいと思いますが、リハビリの担当者など専門家の意見を聞くなどしてもいいかもしれません。
この年から母の為に介護食を作り始めましたが、母の側を離れることが出来ず調理は母が寝てからしていました。管理栄養士に一日1000Kcalぐらい必要と言われ、食材、グラム数、カロリーを個別に計算をして1000Kcalとなるように、毎日写真と共にノートに記録を付けました。最初は楽しんで作れていましたが、カロリーを計算するようになってからというものは、そのことに固執してしまいストレスになってしまいました。
私のようにならない為にも、カロリーは、あくまで目安として考えればいいかと思います。