母69歳の年

症状

  • テーブルの上の物や机、椅子などやたらと何か触りたがり、新聞紙を折り紙のようにおったりする。
  • ほとんど口をきかない。会話がほとんどできなくなる。
  • 食事を用意しても、箸を手に持たせてあげないと食べ始めない。
  • 食器に少し食べ物が残った時は、人が食べさせないと自分では食べようとしない。食事の介助が必要になる。
  • 肉類、繊維質の物など口の中に残ったものを吐き出しどこにでも捨てるようになる。デイケアでも同じ。
  • 蒸かした芋をお皿に乗せて食べさせると、お皿を口のところに持っていき飲もうする。
  • 自分でお茶がつげなくなる。
  • 急須を湯呑のように持ってお茶を飲もうとする。
  • 食欲が一時低下するもその後回復。満腹感わからなくなった可能性あり。
  • トイレの始末をまったくしなくなる。
  • トイレに行くと人の悪口を言い始めるなど機嫌が悪くなる。
  • 便秘がひどくなり、何度トイレに行っても排便できない。薬で一時改善。
  • 便秘→薬服用→便失禁→便秘を繰返す。
  • 友達が会いに来てくれても反応しない。
  • 食事の後等「さぁ帰ろう」と言ったり、腹を立てると「帰る!」を連発する。

詳細と家族の心境

この年母の便、尿失禁が頻繁に起こるようになりました。「おしっこ」と言ってはうろうろと歩きまわり一人ではトイレに行けず、居間でズボンを脱いで床に排尿したこともありました。その後は便意や尿意を訴えることもなくなり、常時オムツの使用が必要になりました。便秘に関しては前述したように、薬(下剤・ラキソベロン)を服用後に便失禁をするという状態が続きましたが、カマグを処方してもらってからは便秘は改善されました。

気分のムラも引き続きあり、突然怒り出し大声で「もう帰る!もう行かん!」等と言うこともありましたが、そういう時は知らん顔をするのが一番の対処法でした。ただ、機嫌がいい時は笑顔が見られました。

昨年からの姿勢の歪みは進み腰は父の記述によると45度ほどに曲がっていました。そして左への傾きもあったため、両手を引かないと片方に倒れそうになり、一人で歩き回ることもなくなりました。
時々一緒に歩くと大した距離を歩いてないにも関わらず、「疲れた」と言って座り込むことがありました。

母の在宅介護が難しくなった場合に、特別養護老人ホームに入所させるということは、父と私の間で合意がとれていました。そしてこの年の10月に、日本赤十字社が運営する特別養護老人ホームの申し込みをしたと、全ての手続きが終わって父から話を聞きました。
在宅で最後まで母を介護するのは無理だろうとぼんやりと思っていましたが、母が入所するとして、その日母が家を出るとき私は耐えられないだろうから、出来るだけ長く、出来るところまで母の介護を在宅でしようと思いました。
数年後一度特養から空きが出たとの連絡が来ましたが、父も私も入所を断り在宅介護を選びました。その時点では、大変ながらも母の介護にも慣れ入所の必要を感じませんでした。

そして12月母は要介護5になりました。その後介護度が軽くなることはありませんでした。

振り返って思う事

トイレの問題は誰も抱える頭の痛い問題ですが、母の場合、決まった時間にトイレに連れて行くようになってからは、オムツを汚すことはほとんどなくなりました。
驚くことに、トイレに座らせたとたんに排便や排尿があったりと母はトイレに座るまで我慢してくれるようになりました。母には随分と楽をさせてもらいました。
可能であれば、時間を決めてトイレに誘導するのがいいと思います。汚れてからトイレに行くのは本人も気持ちが悪いでしょうし、介護者もきれいにするのに労力をつかいます。時間を決めることで体のリズムが出来て、排泄もそれに合わせて出来るようになると思います。※詳しくはこちら

体のバランスが悪くなり一人で歩く事が難しくなり、徘徊を心配する必要はなくなりました。ただ、今度は転倒などがないよう気を付ける必要が出てきました。こちらにも書きましたが、リハビリは介護をする上で大変重要ですので、早くから取り組まれることをお勧めします。