目次
母62歳の年
症状
- 認知症専門の病院でMRI検査を含む検査を受けアルツハイマー型認知症と診断される。
- 料理を一人で作るのが難しくなる。家事をしなくなる。
- 布団を敷けなくなる。
詳細と家族の心境
この年私はできるだけ母を一人にせず、一緒にいられるようにと考えて、朝6時から午前中だけ働くことにしました。
母は悪いながらもなんとか家事を頑張ってくれていました。私が仕事から帰って来ると庭で洗濯物を干している母を見て安堵したのを覚えています。
食事の支度は母一人では難しくなりました。料理を作る工程を順に踏むのが難しく、また目からの情報が脳に伝わらない為か、鍋も置かずコンロに火をつけたまま、その奥にある鍋をかき混ぜようとして、やけどしそうになったりしました。
食事の支度は一緒にするようになりました。母が最後まで作ってくれていたのは味噌汁でした。
そしてこの年の11月、認知症専門の科がある病院でMRI検査を受け、アルツハイマー型認知症と診断されました。今となっては記憶が曖昧ですが、母が姉(私のおばさん)に自分はどこかおかしいと思うというような不安を口にしたことから、この受診に繋がったと思います。このころ私は受診については一切かかわらず、全て父が段取りをしてくれていました。父はさぞかし神経をすり減らしていただろうと今になって思います。
布団は敷く方向がわからなくなってしまい、自分で出来なくなってしまいました。
振り返って思う事
父がどこの病院にするかなど全て調べ、予約して段取りしてくれました。
主介護者が、身近な人に大変さを理解してもらえないのは、とてもつらいことです。ですから、私は直接母の受診について決断をすることはなくても、その過程において、父が一人で悩むことがないよう話し合ったり、決断を後押しする存在であるべきだったと思います。
母が作った味噌汁を私が美味しいというと、母はいつも嬉しそうにしていました。出来なくなることが増えていく中で、自分が出来ることをほめてもらえるのは、母にとって自信になっていたのではないかと思います。私自身十分に出来ていたとは思いませんが、出来ないことにではなく、出来ることに目を向けられたら、本人も家族も少しは気持ちが楽になるのではないかと思います。