母58歳の年

症状

  • 祖父のオムツ替えができない。
  • バスの乗車口から降りようとする。
  • 前を歩いている人について行ってしまう。

詳細と家族の心境

この年祖父が脳溢血で左半身麻痺となり、病院に救急搬送され入院しました。亡くなるまでの1年5ヵ月間、母は家事を全てしてくれていました。

たまに母が私と一緒に病院に来た時、母は祖父のおむつを替えることはしませんでした。慣れてないからだと思っていましたが、その頃にはおむつの替え方もわからなくなっていたのだと振り返ってみてそう思います。

ある日私が運転する車ではなく、母と二人でバスを利用し最寄り駅に着いた時、私に続き母が降りようと降車口に向かっていたら、利用客を乗せる為乗車口が開き、母は運賃も払わずに思いがけず開いた乗車口から降りようとしました。
運賃を払ってバスを降りるという目的があるにも関わらず、乗車口が開いたとたんにその回路が切れて、乗車口から降りようとしてしまったのです。
前を歩いている人に行動が左右されるということも度々ありました。曲がる必要のないところで、前の人が曲がるとそれについて曲がってしまったり、曲がらなくてはいけないのに、前の人についてそのまま真っ直ぐ歩いたり。
自分の最終の目的を果たすためにどうするべきかがわからなくなってしまう感じでした。

はっきりとこれは何かおかしいと思いましたが、どこかでまだ母は病気ではないと、あまりにも怖くて現実を受け入れることが出来ませんでした。そしてそのことを言葉にすることが怖く、父に話すこともありませんでした。